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「千引きの石(ちびきのいわ)」・「汐の声(しおのこえ)」・「ネジの叫び(ねじのさけび)」・ 「わたしの人形は良い人形」の4本収録。 「千引きの石(ちびきのいわ)」戦前からある呪われた体育館に、引きずり込まれてしまうという、「学校の怪談」風の作品。学校というのは、体育館にしろ、校舎にしろ、誰かがいて当然の場所。これらの誰もいない、使われていない校舎等は、怪談の舞台になりやすい。 「汐の声(しおのこえ)」幽霊屋敷を放映するために集まったテレビ局スタッフと霊能力者の話。 17歳の霊感少女が主人公で、彼女だけが本物の幽霊を感じることができた。 その恐怖の結末は・・・という話。ラスト近くに明らかになる物語の発端。 「アーノルド坊やは人気者」というテレビドラマに関する都市伝説があり、 作者はこの都市伝説をおおもとにしたのかもしれない。 「ネジの叫び(ねじのさけび)」財産目的で、女に近づいた男が辿る悲劇。因果を感じさせる。 「わたしの人形は良い人形」人形は呪うから怖い。昭和21年の交通事故の被害者と一緒に葬られるべき人形がたどる呪いの物語。現代まで続き、これからも呪い続けるという余韻を残すラスト。モノを中心とした物語は、森村誠一の小説で「剣」や「拳銃」をたどっていくという話があるという。 → 山岸凉子著作目録 |
2000年3月26日
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「時じくの香の木の実(ときじくのかくのこのみ)」 「キルケー」「鬼来迎(きらいごう)」「笛吹き童子」「海底より(おぞこより)」「夜叉御前(やしゃごぜん)」以上6作収録。 解説「愛天使(セラピム)のひと」は夢枕獏氏 今回も恐い話が並んだ。 「時じくの香の木の実」自分が幽霊になっているとは気付いていない話。 「鬼来迎」「夜叉御前」自分が狂っているとは気付いていない話。家族のせいでおかしくなるパターン。 平家物語に材をとった「海底より」も恐い。 → 山岸凉子著作目録 |
99年11月1日
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「天人唐草(てんにんからくさ)」「ハーピー」 「狐女(きつねじょ)」「籠の中の鳥」「夏の寓話」 以上5作収録。 解説「失われた子どもたちの記」は中島らも氏。 昭和58年『日出処の天子』で第7回講談社漫画賞を受賞した少女漫画の 山岸凉子氏の漫画の自選作品集。 恐い話が並んだ。 人はどのように狂っていくのかを描いた話が衝撃的だ。 少女が狂っていく「天人唐草」、家族のせいでおかしくなる話。 少年が狂っていく「ハーピー」、日本の受験システムは人を狂わせることがありうる。 山岸氏には『メタモルフォシス伝』という、受験そのものをあつかった作品もある。 原爆に材をとった「夏の寓話」。少女が火だるまになる絵に驚かされた。 関連リンク: 『日出処の天子(ひいづるところのてんし)』山岸凉子著 → 山岸凉子著作目録 |
99年11月1日
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「バビル2世」の続編。バビル2世の血液を輸血されて、超能力者となった人間とバビル2世が戦う。
遺伝だけでなく、輸血でも超能力者になれるというのは、科学的だと思った。 OVAのジャイアントロボで、主役級だった銀麗は、この漫画に出てくる。 |
99年05月26日
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