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エッセイ１・企画展「森村誠一の証明 現代社会のリポーター」に行ってきた
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埼玉県桶川市にあるさいたま文学館で、企画展「森村誠一の証明 −現代社会のリポーター−」というのをやっていることを知り、行ってきました。 開催期間が平成１１年８月１日（日）〜１１月２８日（日）ということで、昨日までやっていたイベントです。 観覧料を２１０円払い、埼玉ゆかりの主な文学者（けっこうたくさんいる）の展示をみてから、「森村誠一の証明」コーナーに行きました。 展示してあった主なもの 森村氏の最初の本、昭和４０年(1965)『サラリーマン悪徳セミナー』（池田書店）等の森村氏の著書、自筆原稿、ノート（赤い文字で、「書けない 書けない 書けない・・・」と書いてある、氏の苦労がリアルに伝わるものでした。） 第１５回江戸川乱歩賞記念像 第２６回日本推理協会賞記念像 青山学院大学英米文学科の卒業證書（昭和３３年３月２５日卒業）、森村氏は留年しています。 愛用のガラスペンとインク壺（このガラスペン、メーカーが製造中止にすることを聴いた森村氏は２万個購入したとのこと） 愛用のピッケル 愛用のカメラ「パール�検� 西条八十の詩「帽子」が載る霧積温泉の弁当の掛け紙（現在使用されているもの） 生まれてから現在までの足跡を辿るパネル 「森村ミステリー地図」という、日本地図に森村作品の舞台を書き込んだパネル。『ロマンの象牙細工』に掲載されたものを加筆した地図とのこと 森村作品を４つに分けたパネルと、その作品の主なもの 「推理小説」「歴史・時代小説」「ノンフィクション」「エッセイ」の４つに分かれていました。 森村誠一作品（ノンフィクション）には、ノンフィクションとエッセイは一緒にしてあります。 展示以外に５０分のビデオを上映していました。 ビデオの内容メモ 森村氏の作家としてのホップ・ステップ・ジャンプの作品として、 『サラリーマン悪徳セミナー』がホップ、 『高層の死角』がステップ、 『新幹線殺人事件』がジャンプ 『人間の証明』はワープであるとのこと。 森村氏もデビュー直後は売れなかった。青樹社（せいじゅしゃ）で３０００部刷って、２００部しか売れない状況。刷った直後に４割はゾッキ本に直行という時代もあったそうだ。 『人間の証明』は初めは売れなかった。角川で映画化の発表した後、売れた。 『悪魔の飽食』も初めは売れなかった。テレビ朝日で紹介されてから売れた。 言論の自由を封じる３つのタブーについて １、差別語 ２、天皇制に対する批判的な文 ３、日本の戦争犯罪（加害記録） 森村作品には上記３の作品としてノンフィクション『悪魔の飽食』がある。この作品で写真誤用（７３１部隊と無関係な写真を本に掲載してしまったこと）があり、森村氏と出版社は右翼の攻撃にさらされた。ビデオでは、抗議文や「近日参上」と書かれた脅迫文が映された。 作品の３つのタイプ １、対応作品（自分も書きたいし、読者のニーズも答える作品） ２、迎合作品（自分は書きたくないけど、読者に迎合して、生活のために書く作品） ３、対決作品（読者が反対してくるだろう作品） ３にあたるのが『悪魔の飽食』 作家は反体制でちょうどイイのではないか。民主主義に反対する言論の自由も許すのが民主主義。常に疑っていなければならない。 マスコミ・ジャーナリスト・作家等、言論に携わるすべての人々に。 新聞記者は事件をレポートするのが仕事。 作家は（現代という）時代をレポートするのが仕事ではないかと思う。 歴史小説を書いていても、現代の目で描いている。 物質文明と機械文明の時代。 携帯電話、ファックス、パソコン、キャッシュディスペンサーなど、機械が無ければ生きていけない。 人間を信用する社会、人間を信用しない世界（cf和歌山のカレー事件） 作家とは、精神文明の一翼を担う仕事 ビデオの内容の多くは、エッセイでも読むことができます。昭和・平成時代のレポーターとして、森村氏はこれからも書き続けていくことでしょう。 埼玉県出身の森村氏は、自分の作品の３分の１が埼玉県を舞台にしているという話です。埼玉県出身の人はもっともっと森村作品に触れてくれればなあと思います。 |
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99年11月29日
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