uwasano「楽しい読書日記」佐高信著作目録(1996-) >2002.5.『司馬遼太郎と藤沢周平 「歴史と人間」をどう読むか』佐高信(光文社・知恵の森文庫)

1999.6.30『司馬遼太郎と藤沢周平 「歴史と人間」をどう読むか』佐高信(光文社) 光文社 紀伊国屋 amazon bk1 7andy

2002.5.『司馬遼太郎と藤沢周平 「歴史と人間」をどう読むか』佐高信(光文社・知恵の森文庫) 光文社 紀伊国屋 amazon bk1 7andy
佐高信著作目録(1996-)

司馬遼太郎(しばりょうたろう)
司馬遼太郎著作目録【洋書】
藤沢周平(ふじさわしゅうへい)
藤沢周平著作目録

robo 『司馬遼太郎と藤沢周平 「歴史と人間」をどう読むか』佐高信著(光文社)

はじめに
第一章 両者の違い
 (1)「上からの視点」と「市井に生きる」
      司馬遼太郎が読めなくなる
      「将」ではなく「兵」が支えた日本
      司馬遼太郎が小説を書かなくなった理由
      悪人を書かない「人間観の浅さ」
      名もない市民を教え子に持つ誇り
      
 (2)同じ人物「清河八郎」をどう描いたか
      司馬の清河八郎像に対する藤沢の抗議!?
      ものかきは「無位無冠の浪人」ではないのか
      志を失うことができない苦衷(くちゅう)
      「名もない者を描く」のか、「名のある者を描く」のか
      「女の眼」を書かなかった司馬
      「あったかそうで、冷たい人」と「とっつきにくそうで、あったかい人」
      司馬は何を見て、何を見なかったのか
      働くことを喜び、労働を尊敬する
      
第二章 両者への違和感と疑問
 (1)司馬遼太郎の避けた問題
      最も厄介な問題を無視
      愚かなるエスタブリッシュメントを安心させる
      善意の人には根本問題が見えない
      英雄史観の危険な側面
      司馬遼太郎の小説は弔辞小説
      あらゆる歴史を理解可能なものとして描き出す
      大岡昇平の司馬批判
      見ようとしないがゆえに見えなくなった
      
 (2)藤沢周平への唯一の疑問
      故郷の名誉市民を拒否
      「胸像なんて晒者(さらしもの)」
      同郷の歌人・斎藤茂吉の戦争責任を厳しく追及
      小説家・歌人の戦争責任
      同郷ということで石原莞爾に甘くなった
      石原に予見能力はあったのか
      権威はすべて張り子の虎
      
第三章 藤沢周平の心性
 (1)農民の血と詩人の血
      長塚節(たかし)を書くことで自分を書いた
      教師時代に行なった生徒と二人だけの授業
      有名作家になっても変わらぬ師弟関係
      山形の農民詩人・真壁仁(まかべじん)
      教師になれなかった同級生へのうしろめたい気持ち
      
 (2)心に「狼」を棲まわせていた男
      動物園でパンダを見てもしようがない
      黙々と生きる
      政治家たる者、まず畏れ(おそれ)を知れ
      俗にまみれて俗に染まらず
      俗にまみれた業界紙の記者時代
      「市塵」に示された「バブル経済」批判
      リーダーにとっての真の「覚悟」とは何か
      「藤沢の中の白石」と「白石の中の藤沢」

第四章 司馬遼太郎をどう評価するか
 (1)「自由主義史観」と「司馬史観」・石川好対談
石川好著作目録
      世界に通用しない「愛国心」
      司馬遼太郎の価値観
      国民作家としての反省
      現代の「坂本龍馬」探し
      国家観と戦争体験
      
 (2)歴史のうねりを描くとは・色川大吉対談
色川大吉著作目録
      高度経済成長に棹(さお)さした作家
      司馬と大岡の対立する視点
      薄っぺらで、まるで紙芝居
      普遍的問題への掘り下げ
      明るい明治と暗い昭和
      天皇と側近、司馬と読者
昭和天皇著作目録=裕仁天皇著作目録
      歴史小説で歴史を知ったつもりになる
      歴史小説と歴史叙述の違い
      日本の歴史家がもう少ししっかりしていれば
      不景気の中で司馬は一層受ける
      
第五章 藤沢周平をこう読む
 (1)俳句に込められた文学と故郷の風景
      療養生活に入ってから俳句をつくりだす
      暗さが身にしみる
      郷里はつらい土地でもある
      
 (2)苦界に身を沈めた経験・宮部みゆき対談
宮部みゆき著作目録
      市井の働く人を書く
      聖職者から苦界への落差
      業界紙記者時代に書いた伝記
      世の中の理不尽への憤り
      それぞれの人生を肯定
      暗い苦しい過去があったからこそ・・・
      本当の「癒やし」とは・・・
      白石にみる政治家たるべき姿
      内からものを呼び覚ます力
      
あとがき
初出一覧




(uwasano)この本に対する反論が、けっこう佐高氏に届いているという話です。
週刊金曜日のコラム「風速計」287・司馬ファンからの反撃

週刊金曜日のコラム「風速計」435・倫理的体力(佐高信)
1983.1.『街道をゆく 20』司馬遼太郎著(朝日新聞社) 紀伊國屋 amazon bk1
1987.4.20『街道をゆく 第20巻 中国・蜀と雲南のみち』司馬遼太郎(朝日新聞社・朝日文庫) 紀伊國屋 amazon bk1
1986.6.20『ロシアについて―北方の原形』司馬遼太郎著(文藝春秋) 紀伊國屋 amazon bk1
1989.6.10『ロシアについて―北方の原形』司馬遼太郎(文藝春秋・文春文庫) 紀伊國屋 amazon bk1



藤沢周平氏については、

1995.2.28『藤沢周平を読む』(プレジデント社)
『別冊歴史読本作家シリーズ3「藤沢周平読本」』(新人物往来社) 紀伊國屋 amazon bk1

等にも、佐高氏が登場していますが、この『司馬遼太郎と藤沢周平』と内容がダブっているようです。


次のような関連する本もあります。
1997.5.『近現代史をどう見るか 司馬史観を問う』中村政則(岩波ブックレット) 紀伊國屋 amazon bk1 関連
2001.12.8『歴史修正主義の克服―ゆがめられた“戦争論”を問う』山田朗【著】(高文研) 高文研 紀伊國屋 amazon bk1

上記の本も含めて、「司馬史観」に関する本を検索してみました。

「司馬史観」に関する本


1999年09月


uwasano「楽しい読書日記」トップへ
inserted by FC2 system