1998.11.25『権力必腐・日本経済混迷の元凶を糺す(ただす)』高杉良著(光文社) 紀伊國屋 TRC amazon bk1 bookreview

2001.11.『権力必腐 日本経済混迷の元凶を糺す(ただす)』高杉良著(講談社文庫) 紀伊國屋 TRC amazon bk1 bookreview

経済小説の高杉良氏が書いたノンフィクションです。
本当は、新聞記者や評論家がやらなければならないことを、作家が、小説という方法で、フィクションとして世に出しているということがあります。この本は、そんな作家が、何を世に出してきたか、また銀行・証券を中心とした会社や、検察・警察を含む政治が、何をしなければならないかを明らかにしています。役所広司主演で映画になる「金融腐蝕列島」とワンセットで読むといいかもしれません。
なお、タイトルの「権力必腐(けんりょくひっぷ)」は佐高信氏が作った言葉です。

robo 『権力必腐・日本経済混迷の元凶を糺す(ただす)』高杉良著(光文社)

目次

第一章 タブーへの挑戦 日本を牛耳る「裸の王様」たち
 興銀・中山素平さんの鮮やかな退任
 闇の権力に立ち向かう

第二章 老害財界人は引退せよ
 老害財界人は引退せよ
  一流財界人で固めた理事会
  東海興業株取引で活躍
  チョウチン記事で二億円
  五人の相談役で一千の肩書
  東商副会頭解任劇の情なさ
  総会屋へのさまざまな利益供与
  異例ずくめの披露宴
  両家代表は大勲位中曽根元首相
 石田退三のケチ哲学
石田退三著作目録
  受け継がれた石田イズム
  最大の功績は、社員を大切にしたこと
  ムーディーズよ、おごることなかれ 

第三章 最悪のシナリオを選んだ日本
 筑紫哲也対論
筑紫哲也著作目録
  時代を切り取る
  「隠す」という日本の文化
  日本のケジメのつけ方

第四章 高杉良の一刀両断
 高杉良の小説世界 佐高信対論
佐高信著作目録
 政治空白、国民の不信感の増幅
 過度の金融悲観論は慎みたい
 第一勧業銀行 腐蝕の底流
 ノベルだが、すべて現実だ
 すべての大銀行へ
 総会屋排除・情報公開で
 闇社会はこうして銀行に食い込む
 恥を知らない大銀行のトップたち
 「バブル・パージ」で企業を一新せよ
 三年前から警告し続けた大蔵官僚の「腐蝕」
 トップ暴走と大蔵支配

第五章 真の愛国心とは
 日本の恩人・フレッド和田「熱き心」の九十年

第六章 経済小説とその取材現場
 「大慶」に見た近代化の実相
 上海のガイド
 曲維さんのこと
 怪我の功名
 高杉良 経済小説の読み方


1999年8月


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