uwasano「楽しい読書日記」佐高信著作目録(1977-1989) >1980.1.19『経済小説の読み方・この200冊から何を学ぶか』佐高信(こう書房)
uwasano「楽しい読書日記」佐高信著作目録(1996-) >1996.6.30『経済小説の読み方(増補版)』佐高信(社会思想社・現代教養文庫)

こう書房表紙:「生きた経済」を知るためには優れた経済小説を読むのが一番いい。そこれは恋もし、悩みもするビジネスマンや官僚たちが生き生きと描かれているからである。そうした生ま身の人間たちが石油を求めて中東へ飛び、あるいはライバル企業との販売合戦にしのぎを削る。その動きを追うことによって、経済小説はマクロの国際情勢からミクロの業界事情まで、さまざまな「知識の読み方」も教えてくれる。「経済小説の世界」は、女が主人公とはなりにくい「男のロマンの世界」だが、この本は、そうした「男だけの世界」への案内図(ガイド・マップ)である。

1980.1.19『経済小説の読み方 この200冊から何を学ぶか』佐高信(こう書房) 紀伊國屋 amazon bk1
1986.11.30『経済小説の読み方』佐高信(社会思想社・現代教養文庫) 紀伊國屋 amazon bk1
1996.6.30『経済小説の読み方(増補版)』佐高信(社会思想社・現代教養文庫) 紀伊國屋 amazon bk1 7andy
2004.8.5『経済小説の読み方』(光文社・知恵の森文庫)

1980年本・第5章の「5、 童話作家になりたかった高杉良」が無いです。
1980年本・第5章の「4、 森村誠一の屈辱のホテルマン体験」の中の「森村誠一の不安」は、「森村誠一の不安と驕り」となっています。
1980本及び1986年本・「第四章 最近の経済小説」が無いです。

robo 「経済小説の読み方(増補版)」(社会思想社・現代教養文庫)



目次
第一章 経済小説はなぜ読まれるか
1、 経済小説の三つの効用
 問題の立体的見方を知る
 ビジネスマンの生き方を問う
 モデルを知って「実物」探求
 「壱岐正」の国際情報の見方
2、 経済小説を書く苦労
 作家・城山三郎の誕生
 吸血鬼的取材をする山崎豊子
 初めに人間ありき
 「主人公の職業をかえてくれ」と言ってきたテレビ局
 「小説新日鉄」の場合
 小説を書いて降格された渡辺一雄
3、 どんな経済小説が読まれているか
 断然トップの城山作品
 主婦たちが経済小説を読み始めたら・・・

第二章 テーマ・業種別読書案内
1、 日本経済の仕掛け人たち
 ミスター・通産省の栄光と挫折
 モデルより強烈な佐橋の個性
 日銀を舞台にした大ロマン
 官僚と政治家と国民の関係
2、 国際経済と商社マンの世界
 迫力ある「一九七九年の大破局」 関連
 秀作「真昼のワンマン・オフィス」 関連
 「不毛地帯」から「毎日が日曜日」まで 関連関連
 キラリと光る「雑草の花」 関連
3、 銀行のしくみと銀行マン
 銀行が主人公の「マネーチェンジャーズ」 関連
 迫力不足の山田智彦たち
4、 「狼型人間」の集まる証券業界
 清水一行が「兜町小説」の第一人者 関連
 無責任経営を生む法人株主の増大
 「裏金」を「表金」にする図式
 ジャパンライン事件の背景
 黒幕・児玉誉士夫の力
5、 企業の合併、乗っ取り、倒産
 問題は合併後の主導権争い
 従業員の反対でつぶれた関西相銀の合併
 野良犬呼ばわりされた「乗取り」の主人公
 「虎と狼」の乗っ取り争い
 「企業スリラー小説」の「銀行乗っ取り」 関連
 さまざまな「倒産劇」の内幕
6、 自動車業界と情報戦争
 花形産業の舞台裏
 古典ともいうべき梶山の「黒の試走車」 関連
7、 公害問題と企業批判
 「辛酸」の田中正造と住友の伊庭貞剛 関連
伊庭貞剛著作目録
 新幹線公害を告発した「動脈列島」 関連
8、 エネルギー危機の時代
 「油断!」ショックとその功罪 関連
 「原子力戦争」と「エネルギー」のコントラスト 関連
9、 構造汚職と企業の暗部
 デビ夫人から訴えられた梶山の「生贄」
 総会屋という職業
10、 サラリーマン小説とさまざまなサービス産業
 「昔、源氏鶏太。今、森村誠一」
 「企業特訓殺人事件」の戦慄 関連
 中間管理職の哀歓を描いた人事小説
 デパート、生保、ホテル、病院など

第三章 この企業、このモデル
1、 モデル小説一覧
 「企業」が主役のモデル小説
 「事件」が主役のモデル小説
 「人事」が主役のモデル小説
 城山三郎の痛烈なヘイリー批判 →アーサー・ヘイリー著作目録
2、 「価格破壊」のダイエー、中内功 関連
 流通革命に毛沢東思想を生かす
毛沢東著作目録(もうたくとう、マオ・ツォートン、Mao Zedong)
 流通大国の暗黒に挑んだ攻撃型経営者
 遊びを知らぬ勉強人間
3、 「風雲に乗る」の日本信販、山田光成 関連
 「信用革命」の旗手の教祖的魅力
 「勤続十年妻子あり」
 「信ずる者は信じられる」
4、 「役員室午後三時」と「鐘の鬼」の鐘紡、伊藤淳二 関連関連
 「落日の経営者から」から「明日の経営者」への新旧交代劇
 鐘紡を蘇生させた起死回生の大手術
 企業運命共同体論者
5、 「天井知らず」と「大将」の佐世保重工、坪内寿夫
 躍り出た四国の大将
 「再建の神様」早川種三と坪内の違い 関連関連
 強硬策が惹き起こした摩擦
6、 花王の「男たちの経営」 関連
 企業経営の生きた教材
 丸田芳郎という男
 「総会屋排除」の弁

第四章 最近の経済小説
1、 ズバリ経済大国の実態
2、 惨めな勤労実態
3、 厳しい下請けの姿が浮き彫り
4、 日本を知るため欧米で注目
5、 むきだされる日本の内情
6、 「あり得ぬ」から「あり得る」へ
7、 愕然! 官僚のぶざまさ
8、 「会社国家」の闇の世界描く

第五章 五人の経済小説家
1、 男のロマンを描く城山三郎の原点 著作目録
 詩人としての出発
 戦争の中の青春
 「辛酸」と「落日燃ゆ」の間 関連関連
 律儀者を愛す
2、 山崎豊子が描く悪人の魅力著作目録
 好きな作家は徳田秋声とバルザック
 大阪おなごのド根性
 「盗用」事件について
3、 企業内幕小説のパイオニア、清水一行著作目録
 企業のフィクション性を描いた「虚業集団」 関連
 「燃え尽きる」にみる牧田与一郎父子 関連
 「奔馬の人」でなくしたキバ 関連
4、 森村誠一の屈辱のホテルマン体験著作目録
 蓄えられた十年間の怨念
 梶山季之との出会いとデビュー
 森村誠一の不安
5、 童話作家になりたかった高杉良著作目録
 覆面作家の衝撃的登場
 「屈折を経たあたたかさ」
 城山と清水をアウフヘーベンする?

あとがき
索引


1999年8月


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